CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 215th A2Z

二人の間で、口づけは、いつも不測の事態。そして、永遠にそうでありたい、と感じた。
山田詠美「A2Z」
『A2Z』より

何度もこのブログで言っているかもしれないが、山田詠美の『A2Z』は、おしゃれな恋愛小説だとぼくは思っている。
でも、単におしゃれなだけでなく、そのしゃれた分文体の中に、はっとする恋愛の真実のようなものが見え隠れするから、ファンはそれだけで嬉しくなってしまうのだ。
上記の場面もまさにそう。ふたりがワインを飲もうとしてワイングラスを割ってしまうシーンに登場するわけだが、その二人の間の小さな事件をこのような場面に昇華する手腕にぼくはいつも感激しちゃうのである。
【DATA】
山田詠美「A2Z」
講談社文庫『A2Z』
KEN'S NIGHT M5レフィル<美酒摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 09 Moonlight Serenade