CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 214th Crystal Silence

「私ね、一緒にトイレに行くような友達なんていらないって思ってたの。女の子が、あまり好きじゃなかったのよ。男といる方が、楽しかったわ。彼らの方がいい意味でも悪い意味でも正直だもん。でもね、今回、ある男の子と恋をしたら、うんと誰かにその話を聞いてもらいたくなったの。美しいものを知る才能のある女の子に、ね」
山田詠美「Crystal Silence」
『放課後の音符(キーノート)』より

ぼくは男子校で育っているので、女の子たちが一緒に連れ立ってトイレにいくその心境がさっぱり理解できないんだけど、もし女子だったら、ぼくもそういう関係は嫌がるだろうなと思う。
そして、「美しいものを知る才能のある女の子」に恋の話を聞いてもらいたいというマリの心境はすごく良くわかる。やっぱり恋の打ち明け話をしたいのは、特別な相手に限るもんね。
<解説>
【DATA】
山田詠美「Crystal Silence」
新潮文庫『放課後の音符(キーノート)』
KEN'S NIGHT M5レフィル<海辺夏休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track2 Summertime