CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

小説『快楽の動詞』

Day 216th 口の増減

頭の良い奴は、大抵の場合、超ダサですが、私は、アバンギャルドなセンスも持ち合わせているので、益々、分が悪いんですよね。ほんと、この世の中のことを考えると、私の頭の中のテクストはパラドックスでいっぱいですよ。まさに世紀末って感じです。山田詠…

Day 141st 文体同窓会

知らないの? あの文体を養っている作家もすごいでぶなのよ。名は体を表わす、あ、違った、文体は作家を表わすという言葉どおりなのよ。作家の美食もすぎると、ただ意地汚いだけなのに気付かないから、文体にもコレステロールがたまり続けてる訳よ。山田詠美…

Day 126th 駄洒落の功罪

人は何故、ごろ合わせで、連帯感をものにしようとするのだろうか。そして、その連帯から、離れようとしている人間にまで笑いを強要しようとするのであろうか。駄洒落の駄は不必要という意味を持つのではないだろうか。それなのに、ある種の人々は、それを必…

Day 113rd「否定形の肯定」

さて、人は、何故、恋愛の最中に否定ばかりしてしまうのであろうか。そして、その否定は、何故、皇帝の言葉であってはいけないのであろうか。そして、その否定形の肯定を最も多く用いるのは日本人であるようだ。日本語ほど、否定をもって肯定を強調する言語…

Day 17th「ベッドの創作」

私、セックスって、すごく重要なもんだと思うの。だから、色々な人が文学にしたがるんじゃないかしら。女はおずおずと言う。そうかなぁ、と男は呟く。でもねぇえ、セックスは重要よ! と叫んでる女流作家となんか、ぼくはやりたくないねえ。女は、その言葉に…