CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

エッセイ『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』

Day 288th イクメン父いろいろ

イクメン。もう、はやってないから! それ、ただの父親の義務だから! 大変な思いをして子供の面倒を見ざるを得ない父親もいれば、ファッション感覚で的外れなアピールをしている奴もいる。色々です。そういや、イクメン志願のふりして、奥さんの妊娠中に他…

Day 287th きのこ愛ラプソディ

ところで、私は大のきのこ好き。秋はもちろん年中毎日のように食べています。我が家のカレーの具は何が何でもきのこだけは外せません。山田詠美「きのこ愛ラプソディ」『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』より 詠美さんの家に遊びに行くと…

Day 286th 写真週刊誌に愛憎こもごも

人の死も不倫も汚職も災害も、何もかもが一枚の写真の許で一緒くた。でも、そこでは、希望や幸福や喜びも同列に並べられているのでした。ちなみに、私がデビューしたのも八五年。嬉しさも口惜しさも写真週刊誌が運んでくれました。写真は嘘をつかないけれど…

Day 282nd 司法修習生カビを語る

カビ……黴と表記したいところですが、この漢字自体が嫌なルックスです。実は、秋が一番、カビが繁殖しやすい季節なのだとか。過ごしやすい季節というのは微生物にとっても同じなんでしょうか。食中毒も、本当は夏より秋口の方が多いらしいのです。山田詠美「…

Day 186th 許さん! その言い回し

人によって苦手な言い回しってありますよね。 交際が発覚した芸能人カップルの「お付き合いさせていただいてます」「あたたかい目で見守っていただければ幸いです」などは、私や周囲の人々にとっては、難癖の対象となっている大定番。TVなどでコメントが読…

Day 163rd 山田家総お大尽化

私の妹は、焼いた餅にいただきものの高級海苔をぐるりと巻いて「お大尽焼き」と呼んでます。山田家でお大尽化するのは簡単です。夫は冷凍うどんに玉子二個落としただけで、こんな贅沢が許されるのか⁉ と歓喜。私は、こんがり焼いたトーストに、パンより厚く…

Day 73rd    「ココナッツオイルぬるむ春」

なあんて、ぼおっとしている内に、もう春です。日本には「水温む」という素敵な春の季語がありますが、この数年、私は台所に置いてあるココナッツオイルの緩み具合で春の訪れを実感します。真冬、かちんかちんに固まっているそれを、スプーンでごりごり削り…

Day 53rd    「始まりはいつもシャンパンの栓」

あの直木賞発表の晩、浴びるように飲んだドン・ぺりニョン。シャンパンとしての味の価値は、まったくわからない小娘の私でした。しかし、仲間たちとかけがえのない喜びを分かち合う酒としてのドン・ペリニョンの味は、学ぶことができていたのです。どんなシ…