「ねえ、その煙草、私にも吸わせて」 いつのまにか麦生が手にしていた煙草を私は奪い取って口にくわえた。吸い口は麦生の唾液で濡れていて甘かった。「私の体の味がする」そう言って私は潤んだ目で麦生を見た。私は、この時、「酔う」ということを初めて覚え…
十六にして、私、人生を知り尽くした。そんな筈、ないけど、とにかくそう思い込んだ。その時、私にとっては人生っていったい何だったのだろ。男に付随してるすべてのもの? セックスやお酒や煙草や肉体にもたらせる甘い快楽なんかの、少し面倒臭くてもしてお…
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