CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

小説『ラビット病』

Day 110th「ボディ・ジャッキ」

自分が相手を愛しているのと同じ量だけ、相手が自分を愛してくれているのだろうかという不安は、誰もが持つものである。ロバートもそうだった。こんなに、ゆりちゃんのこと好きになっちゃったけど、彼女は、意に介さないみたいに平然とした様子で、ロバちゃ…

Day 95th「GAS」  

ゆりは、ほっとすると同時に、すっかり馬鹿馬鹿しい気分になっていた。なんで、さっきは、あんなに真剣にロバートを恋しがったりしたのだろう。彼女は、自分の気持が相手の不在によって急激に変化するという愛情の法則には気付いていなかった。「GAS」 集英…

Day 22nd「ラビット病」

「ローバちゃん」「ゆーりちゃん」「私たちはうさぎ——」 二人の主題歌が誕生したとばかりに、ロバートは有頂天になった。 「ラビット病」より 山田詠美の結婚小説として有名なのは『チューイングガム』だが、『ラビット病』も結婚小説として知られている。ア…