CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

小説『ジェシーの背骨』

Day 46th「ジェシーの背骨」

彼の手は洗濯機のせいで冷たく湿っていた。その手が彼女の首筋を撫でる時、彼女は石鹸の匂いを嗅いだように思う。外の空気で冷たくなっていたリックの体が彼女の体温を吸い始めた時、彼はやっと彼女の恋愛教本にある正しい翌朝の過ごし方を実行し始めた。「…