CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

エッセイ『セイフティボックス』

Day 218th セイフティボックス

ところで、バリに行くのは今回が5回目である。いつもは山奥に泊まるんだけど、今回は短い滞在なので、思い切り豪華なところに泊まることに決めた。レギャンの奥に、とっても素敵なホテルがあるのだ。石垣に囲まれたプライベイトヴィラにたった一人で泊まっ…

Day 108th「セイフティボックス」    

だいたい校則なんてものは、大人になって考えれば、ゴミみたいなもんですよ、はっきり言って。先生は人間としてのモラルだけ生徒にサジェストすればいいだけで、こんなの決めるだけ、時間の無駄だと思う。人間の格を決めるのは、こんな規則なんかじゃないっ…

Day 99th「セイフティボックス」    

なんだか、久し振りに日本の街並みを見ると、あまりにも整然としているので不思議な気持ち。着いた途端に花粉症の症状が出てしまった私はくしゃみを連発させながら、コニーとボーイフレンドにニューヨークの話を聞かせていた。「セイフティボックス」 講談社…

Day 76th    「セイフティボックス」

彼らの話が、また実におもしろい。思うに、外国の男の人って、本当の意味で自立しているね。よるとさわるとお酒を飲んで、会社の愚痴を言ったり、風俗の女の子の話をしてるおじさんたちとは大違い。プライバシーを話さなくても成り立つ大人の会話が男同士で…

Day 21st「セイフティボックス」

東京には、もてる男ともてる女がとっても少ないような気がするなあ。 格好のいい人間というのも少ないよね。お洒落な人や綺麗な人は東京にはうんといるけど、ひとりで歩いているだけで格好のいい男や女がいない。どうしてかなあ。皆、他人の目を気にし過ぎて…