CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

小説『姫君』

Day 132nd 姫君

わずか10CC。それっぽっちの量の快楽を放出するなんて非常に可愛らしいと思うのがこつかも、と感じるわたくしは、ちっとも美しくないけれども、男を楽しませる(プリーズ)作法には長けている。なんでもしてやらあ。と、同時に、何もして差し上げなくってよ…

Day 75th    「MENU」

「部屋に入るのは良いけど、勝手におれのコレクションに触らないように。そっちにあるCD聴けよ」「だって、トキ兄のお宝、チェックしたかったんだもん。レコードジャケットって素敵だね。一枚の絵って感じ。この女の人、誰?」「マリアンヌ・フェイスフル」…

Day 3rd 「姫君」

こらえている様子というのが、男を一番魅力的に見せる、とわたくしは思う。それが、どのような原因からであろうとも。魅力はクロスワードパズルのように徐々に完成されて行く。こらえている額、こらえている眉、こらえている口許などなど。 山田詠美「姫君」…