CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 59th    「恋はプラトニック・セックス」

恋人が欲しいからと言ってする恋なんて恋ではありません。気が付いたらおちていた、というのが恋というものです。だから、恋にトラブルはつきものです。人間の感情がここまでコントロールできないものかと人は初めて気が付きます。で、冷静になろうとするのですが、冷静になった次の瞬間、また我を忘れて取り乱します。
「恋はプラトニック・セックス」    『私は変温動物』より

しばしば「恋がしたーい!」だの「恋人募集」だのという言葉を聞くたびに、ぼくはこんこんとお説教をする「恋はするもんじゃないの、落ちるものなの。恋人は募集するもんじゃないの、自然にできるものなの」と。
もちろん、そんな風に言いたくなる気持も理解できないでもないが、やはり恋は落ちるものだから、自然の流れに任せるしかないと思っている。
そんなぼくの恋愛観を裏付けするのが、山田詠美のエッセイに書かれたこの文章だ。
ぼくは25歳から詠美の小説やエッセイを読み、それから本格的なゲイライフが始まっているので、(山田詠美の作品と出会った年と、二丁目で本格的に遊ぶようになった年が同じなのだ!)ますます山田詠美の恋愛観がすっかり沁みついてしまっている。
なのに、恋愛下手なのは非常に解せないことではあるが…。汗

【DATA】
山田詠美「恋はプラトニック・セックス
講談社文庫『私は変温動物』
KEN'S NIGHT M5レフィル<愛舞摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track 8 When I Fall in Love