CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 252nd Crystal Silence

「割りきってるの?」
「まさか⁉ 私、そんなに大人じゃない。ううん、大人だったら、余計そう。遊びじゃない、真剣になって恋に落ちる瞬間が、そんなに沢山はやって来ないこと、よく解ってる。私、彼が好きよ」
山田詠美「Crystal Silence」
『放課後の音符』より

この言葉もすごくドキッとする。高校生にして、もうこんなことを解っているなんて、マリってなんておませな子なんだろう。
人生の中で、真剣になれる恋というのは、本当に数えるほどだと思う。それは55歳になったぼくだからこそ言えることでもある。
ぼくも今まで真剣な恋に落ちたことが2度ほどある。でも、それは何度も何度もやってこないこと。
自分なりに相手のことを好きになり、真剣なお付き合いを望んだものの、それは一方的な想いであることに気づくということもままある。それは相手のあることだから仕方のないことなんだよね。
だからこそ、一つ一つの出会いを大切にしたいって思う。
【DATA】
山田詠美「Crystal Silence」
新潮文庫『放課後の音符』
KEN'S NIGHT M5レフィル<海辺夏休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track 7 Stars Fell on Alabama ※ラメ入り