CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 235th Crystal Silence

「正直言ってさ、冷房のきいた都会のラウンジで飲むジントニックなんて、おいしくないの。でも、この味で、私、彼と私の間で創り上げたものを思い出すことが出来るの」
山田詠美「Crystal Silence」
『放課後の音符(キーノート)』より

山田詠美の『放課後の音符』は、今でも若い世代に人気の小説である。高校生を主人公にした物語の数々は、これをリアルタイムで読んでいたら人生変わっていただろうなと思えるような話ばかりだ。
そんな中でもぼくが一番好きな短編がこの「Crystal Silence」だ。
南の島で耳も聞こえない、話もできない男の子と恋に落ちた女の子の話。
17歳なのに、タバコを吸うし、お酒も飲むし、セックスもするような子だけど、でも、とてもピュアで、そのピュアさにぼくはとても惹かれた。
そんな彼女のぐっとくるひと言が上記のフレーズである。
ジントニック、何度も試したんだけど、いまだにすぐに頭痛くなって飲めない自分がうらめしいです…涙。
【DATA】
山田詠美「Crystal Silence」
集英社文庫『放課後の音符(キーノート)』
KEN'S NIGHT M5レフィル<海辺夏休暇>
KEN'S NIGHT 1st Track 05 When You Wish upon a Star