CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 212nd Crystal Silence

「恋をすると喉が乾くのよ。ジントニックはそういう時にぴったり。まあ、黄色い声をあげてるような恋しか出来ない人には解らないと思うけどね」
山田詠美「Crystal Silence」
『放課後の音符(キーノート)』より

マリという女の子は他の女の子よりもちょっと大人びた子で、周りの子たちからちょっとうっとおしがられているけれども、主人公である「私」のことは認めてくれている。
そんなマリの一言に、他の子たちと喧嘩になりそうになるわけですが、それでも「私」には「こっそり抜けて後で会わない?」と誘ってくれるんですよね。
高校生なのにジントニック飲むなんて、道徳的にどうよ!というPTAのおばさんたちのヒステリックな声が聞こえそうですが、そこはフィクションですからね。
でも、もしも自分が同年代だったら、こういう子と仲良くなれたかなぁ?と考えてしまいます。
大人になると、こういう子ってかっこよくて良いじゃんって共感できちゃうんですけどね。
【DATA】
山田詠美「Crystal Silence」
新潮文庫『放課後の音符(キーノート)』
KEN'S NIGHT M5レフィル<海辺夏休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track 3 The Girl from Ipanema ※ラメ入り