CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 220th 花火

「涙が出る程、恋しいのは、発情期だからよ。お互いがお互いを欲しいと思うから、せつない気持になるのよ。それが男と女よ。まだ肉体的なつながりを持たない関係ならなおさらよ。信頼関係ってのは、寝てみて、初めて生まれるものなのよ」
山田詠美「花火」
『晩年の子供』より

肉体と心の関係を常に追求している詠美は、様々な作品の中で、色々な形、異なるシチュエーションを使って、そのことを分析している。
この「花火」という小説もそんな心と体に関する永遠のテーマに真正面から取り組んでいる作品だと思う。
まだ恋人と肉体関係を持っていない妹に対して姉が言う言葉は、とても説得力があるし、思わず大きく頷いてしまう。

【DATA】
山田詠美「花火」
講談社文庫『晩年の子供』
KEN'S NIGHT M5レフィル<花火摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track 3 The Girl from Ipanema ※ラメ入り