CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 219th アイ ラブ 原稿用紙なんてもの♡

 手書きの文字は気恥ずかしいです。でも、その恥を知ることが出来るからこそ、抑制が効く。書きたいことより書きたくないことの方が多い私という小説家を理解してくれる若手編集者が、ひとりでもいてくれる内はこのまま書き続けたいです。
山田詠美「アイ ラブ 原稿用紙なんてもの♡」
『吉祥寺ドリーミン てくてく散歩・おずおずコロナ』より

山田詠美がいまだに手書きであることを詠美ファンの人ならばみんな知っていると思う。ペンも決まっていて、ぺんてるのサインペン。初めて詠美のサイン会に行った時、(まだ個人的にお会いするようになる前)ぼくはプレゼントに、インドネシアのガラムタバコと、サインペンの1ダースボックスをプレゼントしたことがあった。
詠美の原稿用紙は、小学館文庫「吉祥寺デイズ うまうま食べもの うしうしゴシップ」の手書きのあとがきで確認できるので、興味のある方はチェックしてみてください。
ぼくも基本的に創作活動の時は手書きである。最近はちょっとご無沙汰しているが、原稿用紙、あるいはノートに手書きで書いたものを、清書する際にワープロなりPCのワープロソフトなりで打ち込みながら清書し、それを何度も印字しながら推敲していくというやり方を取ってきた。
ぼくが小説を書いていた高校大学時代は、ワープロなんてものすらなかった時代なので、手書きしかなかった。だから、その時の癖が付いているのか、脳の中とペンを持つ手が密接に結びついているような気がするのだ。
詠美にあやかるなんておこがましいが、これからも手書きを大切にしたいと改めてこのエッセイを読んで思った。
【DATA】
山田詠美「アイ ラブ 原稿用紙なんてもの♡」
小学館『吉祥寺ドリーミン てくてく散歩・おずおずコロナ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<和風三色幕>
KEN'S NIGHT 1st Track 12 Moon River