CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 53rd    「始まりはいつもシャンパンの栓」

 あの直木賞発表の晩、浴びるように飲んだドン・ぺりニョン。シャンパンとしての味の価値は、まったくわからない小娘の私でした。しかし、仲間たちとかけがえのない喜びを分かち合う酒としてのドン・ペリニョンの味は、学ぶことができていたのです。どんなシャンパンでもなく、その他のスパークリングワインでもなく、ドン・ペリニョンドンペリと呼ばれ、通俗に落とされ、成金臭いと揶揄されながらも、どうしようもなく祝いの酒である美しい泡の沸く泉! 年齢を経て冷静に味わうようになれてから、ますます好きになりました。
「始まりはいつもシャンパンの栓」
『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』より    

詠美さんのエッセイは実に面白い。洒脱で、辛口で、でも人間味にあふれている。一見ふざけているように見せかけて、良く読んでいくと、いつの間にか詠美ワールドに入り込み、最後は「納得!」となる。
特に女性セブンに連載された「吉祥寺デイズ」は、時事ネタを取り上げ、詠美さんなりの視線で一刀両断しているところに面白さがある。
そんな詠美さんのエッセイの第一回のテーマは詠美さんが好きだというシャンパンの話。
体質的にお酒が苦手なぼくには非常に羨ましい話ではあるが、詠美さんのシャンパンに対する想いがわかる文章だ。

【DATA】
山田詠美「始まりはいつもシャンパンの栓」
小学館文庫『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<彩酒摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track Shine