CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 86th    「明日、死ぬかもしれないよ」    

 この「はははは」とか、「あはははは」は、宇野先生が時々お書きになる笑い声なのであるが、私も真似するのだ。何故なら、これには言霊が宿っているらしく、手書きの私が綴っていると、本当に笑い出したくなって来るから。ちなみに、「えっへん」は、私の好みの自慢用語。小さな誇りを呼び寄せてくれる。
「明日、死ぬかもしれないよ」『私のことだま漂流記』より    

毎日新聞の日曜版で連載されていた自伝的小説『私のことだま漂流記』からの一説である。
ぼくは新聞に連載時からずっと読んでいたのであるが、改めて本としてまとめられてから読むと、一層この作品の面白さがわかる。
とにかく、山田詠美がどんな風にして文学と向き合っていたのかがわかるのだ。
これは、ぼく自身とも重ね合わせることができる。
もちろん、微妙に年代も違うし、家庭環境も全く異なるが、それでも、本を読んでいれば、いつでもその世界に入り込むことができることを幼い頃から知っていた人間同士、分かり合える部分も多いように思う。
そして、ぼくは山田詠美のこの自分なりの自慢用語を持ち、それによって小さな誇りを呼び寄せているというVIVA!自分的な発想に共感するのである。

【DATA】    
山田詠美「明日、死ぬかもしれないよ」
講談社『私のことだま漂流記』
KEN'S NIGHT M5レフィル<和風三色幕>
KEN'S NIGHT 1st Track 07 Stardust ※ラメ入り