CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 208th エロティックな処世術

 エロスって、自分で意識して語った時点で、消えてしまうようなものだと思うの。
 話さないうち、言葉にしないうちが花みたいなとこがあると思うけど、でも、野暮だからさ、みんな、小説に書いたり、詩に書いたり歌ったりするわけじゃない。でも、本当はやっぱり“言葉にならないもの”という感じが大切なのよね。
山田詠美井上陽水「エロティックな処世術」
対談集『メン・アット・ワーク』より

井上陽水との対談から。
陽水と詠美という異色の組み合わせと思われるが、実はこの二人、他の雑誌でも対談をしていて、それがまた面白いんである。
方や純文学系、もう一方は日本のポップスという世界で活躍している二人のアーチストによる話は、異色だからこそ興味深い部分もある。
エロスについて語るこの対談も面白くて、二人のそれぞれのエロスに対する見解がわかる。
陽水の歌って、本当にエロい曲が多いもんね。
リバーサイドホテルとか、本当にエロじゃん。
なのに、エロをそんなに感じさせないところが面白い。「んまぁ!いやらしい!」と思いながらも、歌えちゃうところに不思議な魅力というか魔力があり、その鍵となる部分がこの対談には潜んでいるような気がする。
【DATA】
山田詠美「エロティックな処世術」
幻冬舎文庫メン・アット・ワーク
KEN'S NIGHT M5レフィル<祝祭摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track 7 Stars Fell on Alabama ※ラメ入り