CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 171st プロローグ 人生、いつも上機嫌!

 才能なんて、そんなおこがましいふうには重さないけど、言語化に秀でてるところがちょっとあるかもと思った。それって多分、初めて男の子とセックスしたことにも関連があるかもしれない、うん。世の中が違ってみえる瞬間を言葉にしたいなっていう意欲みたいなのは、そこから生まれたかもしれないです。
「プロローグ 人生、いつも上機嫌!」
山田詠美&阿部譲二対談集『愛してるよ、愛してるぜ』より

山田詠美と阿部譲二という異色のコンビによる婦人公論で連載されていた対談集より。この対談は、読者からの寄せられた人生相談に二人が答えるという形で進められており、これがまた面白い。二人ともまったく違った視点を持っていながらも、普通の人とはまったく違うその視点に納得することも多いし、新しい発見もあり、ぼくは連載中もずっと楽しく読んでいた。
上記の文章は、詠美さんが才能について語っている文章で、詠美がなんで小説を書いているのか、というもっとも重要な核となる部分が理解できる文章だと思う。
そして、その背景にあるのは、やはり人間の心と体の関係なのではないだろうか。
【DATA】
山田詠美&阿部譲二「プロローグ 人生、いつも上機嫌!」
中公文庫『愛してるよ、愛してるぜ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<祝祭摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track The First Time Ever I Saw Your Face