CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 201st ハーレムワールド

 スタンはバラの花束とレコードを抱えて交差点に立っている。土曜日の夜。人混みの中。彼女はいつもこんな場所を指定してくる。もしも、彼がその姿を見逃したら、彼女はそのまま、自分を無視してどこかに行ってしまうのだ。そして、彼女は、決して彼がそんな過ちを犯したりしないことも知っているのだ。
山田詠美「ハーレムワールド」
『ハーレムワールド』より

山田詠美研究家としてぼくが一番気になるのは、この時の交差点というのは、どこの交差点かということ。読み進めて行くと、六本木であることがわかるのだが、では、六本木のどこの交差点か。
恐らく六本木の待ち合わせ場所として有名なアマンドの前あたりだろうか。
そんなことを考えながら作品を読み、そして、作品に描かれた六本木を同じように歩くというのもまた詠美フリークとして楽しい。
残念ながら、作品に登場するお店やクラブはもうなかったりするわけだが、詠美がこの作品を書いた時の六本木に想いを馳せながら街を歩くのもまた良いだろう。
【DATA】
山田詠美「ハーレムワールド」
講談社文庫『ハーレムワールド』
KEN'S NIGHT M5レフィル<方眼円盤集>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track The Rose ※ラメ入り