CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 200th 無銭優雅

時代のギャップを魅力として持ち上げることも不可能。つまり、手持ちの有利なカードが年齢の中にないのだ。自分自身に対するのと同じ目線で相手を見詰めるしかない。そして、惹かれる理由付けなどすることもなしに向かい合ってみると、年の違う相手では得られない不思議な感情が、こみ上げて来るの。それは、共感。相手がひとつ上でもひとつ下でも沸き上がっては来ない懐かしい感覚。教室で机を並べたことあったよね。そんなふうに言いたくなる、ねぎらいに似た気持ち。
山田詠美「無銭優雅」
『無銭優雅』より

昨日に引き続き、同い年のカップルの心境を描いたこのシーンは、同い年の男とつき合ったことがないぼくにはとても新鮮な発見なのだが、なるほどと思えた。
【DATA】
山田詠美「無銭優雅」
幻冬舎文庫『無銭優雅』
KEN'S NIGHT M5レフィル<夜景摩天楼>
KEN'S NIGHT 3rd Track03 All of Me ※ラメありインク