CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 176th マーク

あなたは女に慣れてもいないし、すれてもいないわ。そこで、アレックスは私に合わなかったのね。ああいう男を自分で変えて見せるのも、楽しみのひとつだけど、私は、そこまで大人じゃないし、暇でもないわ。恋の醍醐味は真面目になることよ。あなたには、まだ解んないかもね」
山田詠美「マーク」
『フリーク・ショウ』より

男と女の恋愛について書かせたら、詠美さんは天下一品だと思う。しかも詠美さんの描く恋愛というのは、ありきたりのそれとはまったく違う。独自の路線というか、詠美なりの恋愛観に基づいた恋愛表現が多い。だから、ぼくたちファンはそういう文章に出会うと、思わず傍線引きたくなってしまうんである。

恋の醍醐味は真面目になることよ。

この一言の重みたるや。
始まりは体、なりゆきは心、その「なりゆき」こそが恋の醍醐味で、そこに「真面目」という要素が加わる。

最近、とんと、そういう体験してないなぁ。

【DATA】
山田詠美「マーク」
幻冬舎文庫『フリーク・ショウ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<方眼円盤集>
KEN'S NIGHT 2nd Track2 Summertime