Day 175th 熱帯安楽椅子
私は男が好きだった。私は暖かくて甘いものが好き。それは私をとても心地良くさせる。私はいつもそういうものを捜し求めていた。たとえば、私の舌を可愛がるお酒。私を思いきり甘やかすお金。
山田詠美「熱帯安楽椅子」
『熱帯安楽椅子』より
昨日ご紹介した箇所の続きです。こうして切り出してみると、別にどうという文章ではないかもしれませんが、例えば、お酒のことを「私の舌を可愛がる」という表現、さすが、詠美さんらしいとぼくは思ってしまうのです。
お酒を飲めないから余計にこの文章を読んだ時、「ぼくの舌を可愛がってくれるものが飲めないなんて」と悔しんだのを覚えています。
【DATA】
山田詠美「熱帯安楽椅子」
集英社文庫『熱帯安楽椅子』
KEN'S NIGHT 2nd Track1 Misty ※ラメ入り
KEN'S NIGHT M5レフィル<美酒摩天楼>