CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 156th トラッシュ

「ほんと? じゃあ、行く。ぼくなんてさ、黒人だからって、小さな頃には苛められ、今は、ゲイだからって、苛められて、ダウンタウン以外なんか、どっこも行きたくないくらいよ」
山田詠美「トラッシュ」
『トラッシュ』より

NYのマンハッタンが舞台となった作品『トラッシュ』は様々な人間の愛情を描いている。その愛情というのは、男女の愛だけではなく、友情についても描かれている。
主人公のココが知り合ったゲイのバッキーは黒人であり、ゲイでもあり、いわゆるダブルマイノリティの人間だ。それでも彼はとても陽気だし、周りの人たちを楽しませてくれるキャラクターで、ぼくはそんな彼に憧れて、ミクシーでの自分の名前を「ケンケンバッキー」にして、Twitterのア間ともその名前にした。
今でもこの作品を読むたびに、バッキーのことが気になるし、そんなバッキーは今頃マンハッタンのあの街で何をしているんだろう?って思ってしまうのだ。
【DATA】
山田詠美「トラッシュ」文春文庫『トラッシュ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<美酒摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 12 Moon River