CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 143rd 懶惰の休暇編

 いいかげん、黒人と結婚している→ドラッグの常用、いう偏見をどうにかしてもらいたいものだ。私は、何かの力を借りてドーパミンを出そうと考える姑息なアーティストを一切信用していないアンチ・ドラッグ人間である。この才能あふれる私にドラッグなんて必要あるとお思い?
山田詠美「懶惰の休暇編」
『嵐ヶ熱血ポンちゃん!』より

今はどうかわからないけど、詠美さんがデビューした当時は、まだまだ世の中は様々な偏見に満ちあふれていたような気がする。「黒人と結婚している=ドラッグの常用」というのもそのひとつ。ミュージシャンの間でもドラッグで逮捕される人が多くいて、そのたびにぼくはいつも落胆していた。自分の好きなアーティストだったらなおさら。
たった一回の過ちで、どれだけの信用を失うのか、ということをよく肝に銘じてほしい。特にアーティストのように何かを表現する人たちは。
詠美さんも言っているけど、そんなドラッグに頼るぐらいの才能だったら、たいした才能ではないのである。
結局、どんなにヒット曲を飛ばしたとしても、「ドラッグによるものなんでしょ?」って思ってしまうのだ。
最近ではゲイの界隈でもセックスの快楽を増長させるためにドラッグを使用する人が増えていると聞くし、本当にそういう連中とは一切関りを持ちたくないと心から思ってしまう。
【DATA】
山田詠美「懶惰の休暇編」
講談社文庫『嵐ヶ熱血ポンちゃん!』
KEN'S NIGHT M5レフィル<海辺夏休暇>
KEN'S NIGHT 2nd Track 4 I Left My Heart in San Francisco