CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 131st 恐怖のバリ島珍道中PartⅡ編

よその土地の人と恋愛したっていいじゃないか。恋の内容はいつだって、その人のパーソナルなものであり、ほんとのとこなんて他人には解りゃしないのである。私は「外国人の男とつき合って、ありゃどうせ遊ばれてんだよ」なんてしたり顔に言う奴らが大嫌いだ。そんなことは他人の口出すことじゃない。遊ばれてるのが事実だとしても、本人が夢中ならいいじゃないか。男にうつつを抜かす状態を恋と呼ぶのではなかったか。
「恐怖のバリ島珍道中PartⅡ編」
『嵐ヶ熱血ポンちゃん!』より

今はもうそんなことを言う人はいないとは思うが、このエッセイの連載当時、海外の男性と恋仲に落ちる女性のことを揶揄するような風潮があった。
特にバリ島やタイなどに行った日本人の若い女性が現地の男の子と恋に落ちるという話をちらほらと耳にするようになると、そのことについて日本の下世話な週刊誌などはあれこれと書き立てることが多かった。
自分達だって散々アジア各国で買春行為を堂々とやっていたにも関わらず、だ。
それに対して詠美はたびたびエッセイの中で憤っている。
これは時代の流れだったのか、はたまた今でもそういう風潮は残っているのか?ぼくはそういう類のおじさんではないのでよくわからないのだが…。
【DATA】
山田詠美恐怖のバリ島珍道中PartⅡ編
「恐怖のバリ島珍道中PartⅡ編」講談社文庫『嵐ヶ熱血ポンちゃん!』
KEN'S NIGHT M5レフィル<赤色日本景>
KEN'S NIGHT 1st Track 10 My Funny Valentine ※ラメ入り