CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 135th 作家がお呼び

 私は煙草は吸いますが、マリファナはやりません。もちろんドラッグスもやりません。なぜかというと必要ないからです。私はふつうにしていても充分、ハイの気持だからです。いつもボーッとしています。時々、編集者と会う時はボーッとしたふりをする事もあります。
山田詠美「作家がお呼び」
『私は変温動物』より

山田詠美は酒豪だとぼくは思っている。小説の中にも様々なお酒が出て来るし、本人もお酒が好きだとエッセイで書いている。
初めて詠美の家に遊びに行った時、ぼくは自分が下戸であることをあらかじめ伝えておいた。でも、お酒が好きな詠美の前でお酒が飲めないことを白状するのは非常に恥ずかしかったし、お付き合いができないことをとても申し訳なく思っていた。
でも詠美は「ケンちゃんはお酒飲めないから、美味しいコーヒー用意しておいたよ」と温かく迎えてくれた。
そして、今でもそんな感じで接してくれる。
詠美にとってお酒はもちろん、美味しいもので、大切なものなのだが、でも、それ以上に一緒にその場にいる人と楽しい時間を共有することを一番に考えていることがわかり、ぼくはそういうところも好きなのだ。
それにしても、このエッセイを読むと、詠美が本当にお酒が強くて、心底お酒を愛しているのだなぁと思い、そして、それを体質的に共有できない自分はやっぱりちょっと残念だなって思ってしまう。
【DATA】
「作家がお呼び」講談社文庫『私は変温動物』
KEN'S NIGHT M5レフィル<祝祭摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 06 My Favorite Things