CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 67th    「良い先生」と「悪い先生」  

  

 私はそのころ、教師を「良い先生」と「悪い先生」に分類していた。私が思っていた「良い先生」とは、子供が大人と同じように悩み苦しむということ、そして、子供が大人以上に発達した羞恥心を持っていること、を知っている教師たちである。「悪い先生」とは、子供を傷つける言葉がどういうものであるかを知らない、つまり、言葉の選び方を知らない教師たちである。
「良い先生」と「悪い先生」    『私は変温動物』より

山田詠美は父親の転勤の多い仕事の関係で子どもの頃は転校する機会が多かった。自身はそのことが洞察力を深めたと分析しているようだ。
その片鱗が上記のエッセイからもうかがえる。
ぼく自身も何度も転校を繰り返していたし、中学は私立の中学に通うことになり、周りの環境が変わったりもしたので、なんとなく詠美の気持が良くわかる。
そして、先生に対する見方も(さすがに詠美ほど明確に自覚していたわけではないが)似たところがあった。
詠美のこういった文章をぜひ全国の先生たちに読んで欲しい。いじめを題材にした「風葬の教室」とともに。

【DATA】    
山田詠美「良い先生」と「悪い先生」    
講談社文庫『私は変温動物』
KEN'S NIGHT M5レフィル<夜景摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track 9 Round Midnight ※ラメ入り