CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 31st「ポン太郎は対談好き」

私は格調高く話をすることが、本当、苦手である。日本語の品格というものを、小説にすべて使ってしまってるので、喋り言葉ときたら、ただのねーちゃんである。このエッセイも、ただのねーちゃんだけでやっている私。読者の皆さんも呆れかえっていることでしょう。

「ポン太郎は対談好き」より

山田詠美の名物エッセイポンちゃんシリーズはエッジの効いた詠美節を楽しむことができる長寿エッセイである。数年前に終わってしまい、久々にまたどこかで再開しないかしらん?とぼくは密かに願っているのだが、今は過去に発表されたポンちゃんシリーズを読み返すのも楽しみの一つになっている。
一昨日、このブログで中沢新一氏との対談を取り上げたが、確かに詠美の上記の「格調高く話をすることが苦手」というのが良くわかる内容だった。
しかし、実はこれは誤りで、相手によって、きちんと話し方を変えているのは、例えば河野多惠子さんとの対談集を読んでも良くわかる。まぁ、河野先生相手に「ただのねーちゃん」として話すのは無理な話だとは思うが。
だが、どんなに内容が難しい内容であっても、詠美はそれを自分なりの言葉に置き換えて話を進めていくことが得意な人であることは対談集を読んでいると良くわかる。
なので、このブログでもそういった対談からの言葉も積極的に取り上げていきたいと思う。

【DATA】
山田詠美「ポン太郎は対談好き」
講談社文庫『再び熱血ポンちゃんが行く!』
KEN'S NIGHT M5レフィル<美酒摩天楼>    
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