CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 129th ウァッツ テイスティ?

きみの手の握り方ときたら、まったく複雑で、こんなふうに訴えているように思えた。私、言っとくけど、素敵なのは会話だけじゃないのよ。ベッドの中のことも、うんと上手。だけど、あなたとやる気はないけどね。そんなふうに、危ういところで、するりとぼくの手の中の熱を逃がしていた。
山田詠美「ウァッツ テイスティ?」
『チューイングガム』より

山田詠美の「チューイングガム」は今でも時々読み返すほど好きな結婚小説である。
男と女が出会い、結婚に至るまでの過程を女側、男側の視点で描かれており、それぞれのページが山田詠美節で埋め尽くされているという感じがたまらないのだ。
なかなか、こんなかっこいい人間にはなれないのはわかっているけれども、それでも、こういう世界にぼくは今でも憧れている。
【DATA】
山田詠美ウァッツ テイスティ?
「ウァッツ テイスティ?」幻冬舎文庫『チューイングガム』
KEN'S NIGHT M5レフィル<彩色音楽集>
KEN'S NIGHT 1st Track 12 Moon River