CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 127th アニマルロジック

生理的に白人が嫌いだ。生理的に黒人が嫌いだ。そこに理由などない。でも、理由をつけたがるんだな、人間は。そういう時に人種という言葉は便利だ。しかし、それと憎むべき人種差別ってのは別物のように私は感じているのだが。どうも解らない。
『アニマルロジック』より

差別について考える時にテキストとして読んで欲しいと、何度も何度も口を酸っぱくして言っている本。
分厚い本なので、躊躇してしまいがちだが、章ごとに物語が進むし、その章ごとにテーマというか物語が完結しているので、思ったよりも読みやすいと思う。
今の日本では人種差別というよりも、ジェンダー差別のようなものがあちこちで取りざたされていて、最近では歌舞伎町に新しく出来た商業施設でのジェンダートイレなるものが、話題になっている。
とにかく差別について語るのは本当に難しい。
なぜなら、誰しもが差別をする当事者になり得るからだ。
だから、正確な意味で、第三者的に差別を語ることは不可能と言って良いだろう。
でも、やはり我々は差別について真正面から考えなくてはならないので、この本はそんな際のテキストになるだろう。
上記の部分についても、「生理的に嫌い」ということについて考察されていて、ついついそう思いがちなので、ちゃんとそのことについて自分なりに考察をしなくてはと思っている。
【DATA】
山田詠美「アニマルロジック」

新潮文庫『アニマルロジック』
KEN'S NIGHT M5レフィル<美酒摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Bonus Track Shine ※ラメ入り