CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 110th「ボディ・ジャッキ」

 自分が相手を愛しているのと同じ量だけ、相手が自分を愛してくれているのだろうかという不安は、誰もが持つものである。ロバートもそうだった。こんなに、ゆりちゃんのこと好きになっちゃったけど、彼女は、意に介さないみたいに平然とした様子で、ロバちゃんの入った後のお便所はくっさー、などと言っているのを聞くと絶望的な気持になってしまうのだった。
「ボディ・ジャッキ」
集英社文庫『ラビット病』より

『ラビット病』はコミカルな結婚小説だ。
山田詠美の最初の結婚相手は黒人の男性。
でも、とにかく詠美が彼にぞっこんなのがわかる内容で、ほのぼのとする。
とにかく、この二人のやり取りが可愛らしくて、たまらないのではあるが、時々、そんなやり取りの中に、ふいに詠美節が現れるから油断大敵。
まるで恋人同士のような結婚生活に今でも憧れてしまうのは、この作品を読んだからなのかもしれない。
その気配は今のところまっっっったくないのが残念なのだが(汗)。
    
【DATA】
「ボディ・ジャッキ」
集英社文庫『ラビット病』
KEN'S NIGHT M5レフィル<青色日本景>
KEN'S NIGHT 2nd Track 4 I Left My Heart in San Francisco