CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 95th「GAS」  

 

ゆりは、ほっとすると同時に、すっかり馬鹿馬鹿しい気分になっていた。なんで、さっきは、あんなに真剣にロバートを恋しがったりしたのだろう。彼女は、自分の気持が相手の不在によって急激に変化するという愛情の法則には気付いていなかった。
「GAS」    集英社文庫 『ラビット病』より

山田詠美のコミカルな結婚小説。とにかく、この主人公であるゆりちゃんとロバちゃんの関係が可愛くて仕方ない。
まるでコメディタッチの漫画を読んでいるような気分にさせる。
自分の視界にロバちゃんがいないと途端に不安な気持ちになってしまうゆりちゃんの心情が描かれている。
詠美さん自身は寂しがりやで甘えん坊なところがあるので、そんなご本人を知っていると、余計にこの小説の主人公であるゆりちゃんのことが愛おしくなってくる。    
【DATA】    
山田詠美「GAS」    
集英社文庫『ラビット病』    
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