CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 60th「パーティーの作法」

お洒落って、ちょっとでも自分を素敵に見せたいと思ってするものじゃない? 皆と同じじゃ振り向いてもらえないじゃん。私はそんなのつまらない。
「パーティーの作法」『ファッションファッショ』より

『ファッションファッショ』は、女性誌「Style」に連載された、ピーコさんとの対談集である。
ぼくは単行本になってからまとめて読んだのだが、対談集とはいうものの、その芯の部分は、「メイク・ミー・シック』のようなテイストを感じる対談集になっていると思う。
詠美もピーコも、ファッションに対しては同じスタンスで楽しんでいるようなので、それが対談を通して伝わってきて、痛快極まりない。
ミュールをパタパタと音をたてて歩く女のことをけちょんけちょんにけなし、皆と同じファッションで喜ぶような女を痛烈に非難する。
もう、すべからく同意しかない。
ぼくはこの『ファッションファッショ』の単行本のサイン会に参加した時にピーコさんと初めてお会いしてちょっとお話をしたのだが、ちょっと話をしただけで、すぐに頭の切れる人だなと思った。
それ以降、ぼくにとってこの本は『メイク・ミー・シック』とともにバイブルになっている。
例えば、この「パーティーの作法」では、パーティーに及ばれする時には立食パーティーなどでは行列してまで何かを食べるのはかっこ悪いというようなことが書かれていて、それを読んで以来、ぼくはそういう立食パーティーの時には事前にお腹をある程度満たしてから行くようにしている。
最近はあまりそういうようなことはないが、異業種交流会などに出る時などは、食べることが目的ではなく、いろんな職種の人と出会うのが目的なのだから、がつがつ食べないように気を付けるようにしていた。
『ファッションファッショ』は、そういう我々の日常生活にも応用できるようなアイディアが満載の対談集だ。
【DATA】
山田詠美「パーティーの作法」
講談社文庫『ファッションファッショ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<夜景摩天楼>    
KEN'S NIGHT 1st Track 02 Autumn in New York