CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 28th「アメリカのゲイ、ニッポンノゲイ」

 昔のアルバイトの話だけど、沖縄へ行って、それで一緒に写る男の子がすごく素敵な人だったの。三宅一生なんか来て。ああ、カッコいいと思って、こういう人と付き合ってみたいなと思ってたらさ、撮影のときに赤いふんどししてきたのね。黒人だよ。こういう人の美的センスってすごいなって単純にそのとき思ったの。それで、夜になって「遊びに行かない?」と言ったら、ぼくはそういううるさいところは嫌いなんだよと言ってさ。

山田詠美アメリカのゲイ、ニッポンのゲイ」より

山田詠美は何冊かの対談本を出しているが、この対談集はかなり初期の頃の対談集で、対談相手は宗教学者中沢新一である。当時は売れっ子の宗教学者で、テレビなどでもしばしば見かけていた。
テーマも多岐にわたり、ユーミンの話から、オウム真理教松田聖子、プロレスの話まで、硬軟織り交ぜた内容だった。
読んでいくと、メインで話しているのは中沢新一の方で、詠美はそれに相槌を打ったり、ちゃちゃを入れる形で対談が進んでいるのだが、その中にキラッと光る言葉がある。
詠美はゲイからの支持が多いことをエッセイでも書いているが、上記の部分はそんな詠美らしい発言と言えよう。

【DATA】
山田詠美アメリカのゲイ、ニッポンノゲイ」
新潮文庫『ファンダメンタルなふたり』(中沢新一との対談集)
KEN'S NIGHT M5レフィル<赤色日本景>
KEN'S NIGHT 2nd Remix Frozen Widescreen Mix