CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 185th 無銭優雅

それでこそ、会えない時間が隠し味になる。やがて抱き合った二人の体が、熱で半田付けされたみたいにつぎ合わされる。ひとりで過ごす至福は、二人で向き合う恍惚の手下。大人気に見放された私が、ようやく見つけた、彼は、私の、宝物。
山田詠美「無銭優雅」
幻冬舎文庫『無銭優雅』より

「ひとりで過ごす至福は、府ありで向き合う恍惚の手下」だなんて、詠美にしか書けない文章なんじゃないだろうか。
そう、二人で過ごす時間が待っているからこそ、一人の時間は充実してくるし、今度会った時にどんな話をしよう?と考えるのも楽しいし、会った時のネタを仕込むために一人の時間を過ごすと前向きにとらえることができる。やっぱり「宝物」、ぼくもみつけなくては!と改めて思った。
【DATA】
山田詠美「無銭優雅」
幻冬舎文庫『無銭優雅』
KEN'S NIGHT M5レフィル<祝祭摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track10 Moonlight in Vermont