CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 194th ルーシィ

彼女は、それまで、そんな服を自分が着るようになるであろうことなど想像もしていなかった。最初は、そりゃあ、どぎまぎしたわ。けれど、一度、着て、そして、人の視線を動かすことへの喜びを知って以来、彼女はスカートの後ろに入っている深いスリットを自分の手で十センチ余分に開くことを覚えた。
山田詠美「ルーシィ」
『フリーク・ショウ』より

昨日に引き続き、「フリーク・ショー」からの一節。
ぼくは、海外のドラマが好きで、「SEX AND THE CITY」などはバイブルだと思っているのだが、日本の女性はこういうドラマに出てくるようなドレスをあまり着ていないような気がする。
実際に女友だちも、まず日本ではこういうドレスを日常生活の中で着ることはないのだとのこと。
まぁ、ドラマなのでフィクションだとは思うし、NYでは女性がみんなこんな格好をしているとは思えないのだが、でも、日本よりも、派手というか色鮮やかなドレスを街中で着ている人は多いのではないかと思う。
でも、詠美の小説に出てくる女性たちはみんなファッショナブルで、自分を着飾ることに喜びを覚えていて、読んでいて本当に気持ちが良い。
【DATA】
山田詠美「ルーシィ」
幻冬舎文庫『フリーク・ショウ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<彩酒摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Bonus Track (They long to be) Close to You