CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 186th 許さん! その言い回し

 人によって苦手な言い回しってありますよね。
 交際が発覚した芸能人カップルの「お付き合いさせていただいてます」「あたたかい目で見守っていただければ幸いです」などは、私や周囲の人々にとっては、難癖の対象となっている大定番。TVなどでコメントが読まれるたびに、あー? 誰に敬語使ってんのー? なんでこの人たちのためにあたたかい目を? などと毒づいたものです。あまりにも多過ぎるので、今は、どうでも良くなっていますが。
山田詠美「許さん! その言い回し」
『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』より

女性セブンに連載されていたので、この本に収録されているエッセイは意外と社会問題だとか時事問題がネタになっていることが多い。
そして、上記の文章もそんな中で書かれた詠美の怒りである。
ぼくもまったく同感なので、大きくうなずいてしまった。
やたらと最近メディアで「~させていただく」という言葉を耳にするのだが、非常に耳障り。
誰に対して「いただいて」いるんだよ!と思わず突っ込みを入れたくなる。
本当は丁寧に言おうとしているのかもしれないが、それ、逆効果ですから、と思っちゃうんである。
でも、こういう何気ない流行語チックなことって、なかなか怖くて、思わず自分も「~させていただく」と言いそうになってしまうのも事実。
「今度イベントに参加させていただくことになりました」とかね。
普通に「今度イベントに参加することになりました」で良いではないか!と自分に突っ込みを入れたくなり、気を引き締めて言葉を選ぶようにしている。
【DATA】
山田詠美「許さん! その言い回し」
小学館文庫『吉祥寺デイズ: うまうま食べもの・うしうしゴシップ』
KEN'S NIGHT M5レフィル<夜景摩天楼>
KEN'S NIGHT 2nd Track11 What a Diffrence a Day Made