CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 99th「セイフティボックス」    

 なんだか、久し振りに日本の街並みを見ると、あまりにも整然としているので不思議な気持ち。着いた途端に花粉症の症状が出てしまった私はくしゃみを連発させながら、コニーとボーイフレンドにニューヨークの話を聞かせていた。
「セイフティボックス」    講談社文庫『セイフティボックス』より    

山田詠美男性週刊誌に連載していた初期の頃のエッセイ集である。ニューヨークに頻繁に行っていた時期のエッセイなので、当時のニューヨークの様子やその時の詠美が見て来たニューヨークのことが良くわかる。
また、時々、読者と思われるおじさん(詠美は現ポスおじさんと呼んでいた)に対するちょっととんがったメッセージなども文章の合間から垣間見ることができて、当時のこの雑誌の読者は一体どんな気落ちでこの若き新進女流作家のエッセイを読んでいたのだろう?と想像してしまう。    
【DATA】    
山田詠美「セイフティボックス」    
講談社文庫『セイフティボックス』    
KEN'S NIGHT M5レフィル<桜舞摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 09 Moonlight Serenade