CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 6th 「私の恋の遍歴」

女は若けりゃいいなんて言う日本の男を見ると、ああ、おいしいもんを知らないなって思っちゃう。ましてや、処女じゃなきゃ結婚したくないなんていうのにいたっては、なんてこったい、だよね。自分が最初の男になるより、いろいろ付き合った男の中で自分が最高って思われる方が、どれだけいいかと思うけど。


山田詠美「私の恋の遍歴」より

山田詠美の「熱血ポンちゃんが行く!」は、最初は月刊カドカワで連載されていた人気エッセイだ。とにかく歯に衣着せぬ詠美節が炸裂するので、読んでいて痛快。
特に初期の頃、詠美はいつも怒っていた。
そして、ぼくも一緒に怒っていた。
だって、本当に日本の男って(と言うと、怒られるかもしれないけど)、一様にしておとなしいんだろう?って思ってしまうんだもの。
まぁ、ゲイであるぼくの場合はちょっと見方が違うわけだけど、でも、ゲイの世界でもいるんだよね。年齢至上主義的な考え方が。まぁ、好みだから仕方ないけれども、若けりゃいい、という考えがまだあることに、この歳になって気づいた。
だって、ゲイの出会い系アプリで30歳になるともう「中年」扱いですからね。おいおい、55歳の俺は老人かよ!と憤ってしまうのだ。
20代の子が「40代以上はお断り」というのは百歩譲って、30代の子が同じことを書いていると(しかもそういうのに限ってモテなさそうな奴なのよ)、お前だってあと数年たてばその40代になるんだぞ!と画面に向かって悪態をつきたくなる。
本当に、そういう連中にこそ、詠美のこのポンちゃんシリーズは読ませてやりたい。

【DATA】
山田詠美「私の恋の遍歴」
講談社文庫『熱血ポンちゃんが行く!』
KEN'S NIGHT M5レフィル<雪景摩天楼>
KEN'S NIGHT 1st Track 12 Moon River