CLUB AMY 365

山田詠美の文章をご紹介。詠美さんご本人の掲載許可済です。

Day 255th 熱帯安楽椅子

果物は強過ぎる香水のように私の頭を痛くする。
山田詠美「熱帯安楽椅子」
『熱帯安楽椅子』より

何気ない文章なんだけど、香水好きだし、バリ島の市場でぼくもまったく同じことを思ったので、思わずこの部分だけを取り上げてしまいたくなったのだ。
バリ島の朝は涼しい。アグン山という富士山とほぼ同じ高さの高い山からの風があるので、バリ島って、実は朝晩は涼しかったりするので、朝はまだ気温が上がっていないんである。
でも、これからだんだんと気温が上がっていくことを予感させる空気感に包まれている市場に行くと、果物やら花やらお供え用の線香やらの匂いで充満していて、まさにそれらが体にまとわりつき、まるで香水のように感じることがある。
【DATA】
山田詠美「熱帯安楽椅子」
集英社文庫『熱帯安楽椅子』
KEN'S NIGHT M5レフィル<青色夏休暇>
KEN'S NIGHT 3rd Track 07 As TIme Goes By ※ラメ入り